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CPTワーカー、トム・フォックス氏の担当教授(EMU)の追悼文 [平和をつくる者]

CPTワーカー、トム・フォックス氏を東部メノナイト大学の "Center for Justice and Peacebuilding" の講座で教えた助教授(Lisa Schirch さん)の手記(日本語訳)を以下に掲載します。

トム・フォックス氏は、昨年の11月26日にイラクの武装勢力によって他の3人の同僚と共に拉致され、3月9日に遺体で発見された、「キリスト者平和つくりチーム("Christian Peacemaker Teams")」のメンバーであり、CPTの創設以降の働きの中での最初の「殉教者(martyr)=キリストの証人(μαρτυς / μαρτυρ)」となりました。
だいぶ以前のことですが、「証人」という新約聖書のギリシャ語の語句を調べていた時、次のような箇所がありました。
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「μαρτυς / μαρτυρ :
証人、証言者、証し人、目撃者、現場に立ち会った人、目撃者(見聞者)として
証言する人。自らの一生を証しのためにささげつくした人。
英語の martyr は、μαρτυρ の音訳である。
 すなわち、殉教者たちを殉教者たらしめたものは、その英雄的「死」そのもので
はなく、その死に至まで生き続けた証言者としての「生涯」、死をもってしても
変えることのできなかった彼らの「生」であった。
 使徒行伝 22:20, 黙示録 2:13 では、このような意味で使われている。
       (「新約聖書 ギリシャ語小辞典」   織田 昭 篇  より)
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イラクの人々の苦しみの「証人、目撃者」としてのトム・フォックス氏は、キリストの苦難と十字架の死と復活の「証し人」として、もし、21世紀版の『殉教者の鏡 "MARTYRS MIRROR"』が編纂されたなら、その最初の数ページの中に書き留められることでしょう。

21世紀こそ、政治的でも軍事的でもない、「第三の解決」が求められるのではないでしょうか?

■トム・フォックスさんのブログ
http://waitinginthelight.blogspot.com/

■"いけだ” さんのブログ  「CPTのトム・フォックスさん。」
http://teanotwar.blogtribe.org/entry-89a55a14cbcbbc5d75cdfdd85d825d5e.html

■ 『飛び交う弾丸の輪の中で迎えた最期』  日付:2006年3月15日
http://www.emu.edu/news/index.php/1096/ctp

東部メノナイト大学のCJPのWEBも参照下さい。
http://www.emu.edu/cjp/

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『飛び交う弾丸の輪の中で迎えた最期』

正義と平和構築センター、 リサ・シーリッヒ

弾丸は、循環するように飛び交う。発射した地点から、発射した地点へ撃ち返るように。トム・フォックスの身体は、イラク中を駆けめぐる銃弾を食い止める最後の砦だったのである。

米軍の兵士たちは、民主主義と自由を支持して、銃を振り回している。サダム・フセインの軍隊は、武力を行使して市民を脅し、近隣諸国や北米に脅威を表している。トムを殺害した者たちは、イラクの反政府勢力の一部であり、彼ら自身の理由を盾に武力で訴えている。もし、彼らがそこに行きつくまでの経緯を知ることができれば、これ以上の死者は防げるかも知れない。

−反政府勢力のますますの増大−
アメリカに対する積もり積もった怒りと直結するように、反政府勢力に荷担する人々の数は、増え続けている。最近の世論調査によれば、今やイラク人の半数近くが、反政府勢力の米軍への攻撃を支持している。彼らは、自国における続行する破壊と、占領に抗議しているのである。

イラク人は、自らの安全の礎として築き上げようとしていた再建策やコミュニティーの発展、草の根外交の努力が殆ど全て踏みにじられたことを嘆き悲しんでいる。

反政府勢力のターゲットは、アメリカ人である。彼らは、無実のイラク人の拘留、イラクの拘置所のあちこちで繰り広げられる拷問、ファルージャで行く手の邪魔となった無実の家族たちを焼き殺した化学兵器、白リンを武力に使うアメリカ軍に、怒り心頭しているのである。反政府組織は、主にスンニ派のイスラム教徒であり、彼らは、少数派であるがゆえに、新政府から追放される恐れを抱いている。

−銃は無力である−
支配者であろうと、反政府組織であろうと、軍隊であろうと、銃を手にしての解決は短絡的なものでしかない。サダム・フセインは、銃を残虐に発砲し続けたが、権力の保持は出来なかった。多国籍軍は、銃でもって、彼を権力の座から引きずり降ろした。しかし軍力は、反政府軍を打ち倒すことはできていない。銃で、平和を勝ち取ることは不可能なのである。

アメリカが、イラク再興よりも、反政府組織と戦うことに注力すればするほど、反政府勢力は、失業中の若者を新たに仲間に加えることになる。そして青年たちは、組織に身を置くことによって、将来的に何ら希望がなくなる結果になるのである。筆者が、8月にイラクに滞在中、現地のコミュニティー開発の仕事に携わっている人たちから、失業と反政府部隊への参加の間の直接的な関係について、多くの話を聞いた。

人生に何の希望も持てなくなると、人は、来世に用意されている命を得るために、銃を手に、殉教することを心に描き始めるのである。

銃を持った人は、撃ち出すその弾が、彼らの望み通りの最期を与えてくれると信じて。しかし、彼らの敵の意志を曲げる代わりに、銃弾は、敵対する者を相手に、戦い続ける意志を堅固にするだけの結果となる。制圧する勢力がなくならない限り、イラクの暴動は終わらない。
銃による武力は、状況を悪化させるばかりである。

−草の根外交−
テロ行為は、安定した経済と政情の下では、起こらないと、歴史は示唆する。イラクでの民族と宗教集団の間での再興、発展、草の根外交の長期的解決に投資するために、国際コミュニティーとパートナーシップを組みながら、労する勇気とリーダーシップがアメリカには必要である。

我々は、イラク全土で、これらの草の根外交事業に携わる人々の尽力を、熱心に応援して行かなければならない。発展と外交のツールは、武装勢力の拡大を回避し、抑えることができる。

銃弾はトムの命を奪った。しかし、銃弾は、イラクでの平和を祈る彼のビジョンや、イラクでの戦争終結運動に参加するために人生を捧げた彼のインスピレーション(着想)までは、奪い取ることはできなかった。トムは、イラクのサダム・フセインの軍隊や、多国籍軍、そして反政府武力勢力の間を駆けめぐる弾丸の輪に終止符を打ったのだ。

−返礼としての銃弾はなし−
平和のために捧げられた彼の身体、文書、そして労力の全てはその目的のために終焉した。トムの中に眠るそれらのものに対する返礼として、撃ち込まれる弾丸は1つもないはずである。我々は、イラクからの違った行路が必要である。

数千人の人々が、トム・フォックスのように、世界中で日々、死と背中合わせになりながら、非武装で独裁者に立ち向かい、人権侵害を訴え、紛争を仲裁して平和な関係を築くことに労している。

戦争で命を捨てることを厭わない人が大勢いる。一方で、平和のために命を捧げる人々がもっともっと必要なのである。

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リサ・シーリッヒは、東部メノナイト大学の 正義と平和構築センター の助教授である。
トム・フォックスは、イラクでの働きの準備のために、2004年の春に大学院課程で彼女のクラスを受講した。その縁で、彼のイラクでの活動について、シーリッヒ助教授は、彼と定期的に連絡を取っていた。

筆者:リサ・シーリッヒ、2006年3月15日投稿

(訳責:岡本信子)

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http://www.emu.edu/news/index.php/1096

Last in a Round of Bullets

By Lisa Schirch, Center for Justice and Peacebuilding

Bullets travel in circles - one side fires, another side reciprocates. Tom Fox’s body was the final resting place for a long line of bullets in Iraq.

Read about the campus response to Fox's death

American soldiers wield guns to support democracy and freedom. Saddam Hussein’s forces used the power of the gun to terrorize civilians and threaten neighboring countries and the U.S. Those who killed Tom are part of the Iraqi insurgency and have their own reasons for wielding guns. If we understand their story we have a better chance of preventing more deaths.

'Insurgency continues to grow'

The number of people joining the insurgency continues to grow in direct correlation with mounting anger toward the U.S. According to a recent poll, nearly half of Iraqis now support insurgency attacks on U.S. forces. They are outraged at the ongoing destruction and occupation of their country.

Iraqis lament the almost total abandonment of reconstruction, community development, and grassroots diplomacy efforts that would build the foundation for their security.

Insurgents target Americans because they are angry at the illegal detentions of innocent Iraqi people, the widespread torture in prisons in Iraq, and the use by American forces of a chemical weapon, white phosphorous, that killed and burned innocent families who were in the way in Fallujah. The insurgents are mainly Sunni Muslims who are the minority and fear being left out of the new political context.

'Guns have no power'

Guns are a short term solution, whether in the hands of dictators, insurgents, or militaries. Saddam Hussein could not hold onto power through his brutal use of the gun. The Coalition Forces deposed him with guns, but military power cannot defeat the insurgency. Guns have no power to win the peace.

The more the U.S. has shifted its focus to fighting the insurgency rather than reconstructing Iraq, the more the insurgents have been able to recruit new, unemployed young men with little hope for the future to join them. When I was in Iraq in August, I heard many stories from Iraqi community development workers about the direct relationship between unemployment and insurgent recruitment.

When there is little hope for this life, people begin imagining using the gun to gain martyrdom in preparation for the next life.

Each one who picks up a gun believes bullets will create their desired end. But instead of bending the will of their opponents, bullets only harden the other’s resolve to keep fighting. No amount of overwhelming force can bring an end to the violence in Iraq. More guns will only make the situation worse.

Grassroots diplomacy

History suggests that terrorism disappears in the absence of the fuel of economic and political desperation. The U.S. needs the courage and leadership to work in partnership with the international community to invest in long-term solutions of reconstruction, development, and grassroots diplomacy among the ethnic and religious groups in Iraq.

We need to diligently support those undertaking grassroots diplomatic efforts across Iraq. Development and diplomatic tools can prevent and curb the growth of the insurgency.

Bullets ended Tom’s life. But they have not crushed his vision for a just peace in Iraq nor the inspiration he offers the living to join in the cause of ending the war in Iraq. Tom was in Iraq to end the cycle of bullets among Saddam Hussein’s forces, the Coalition Forces, and the insurgents.

'No bullets in reciprocation'

His body, his writings, and his work for peace all aimed for that end. There should be no bullets in reciprocation for those that rest in Tom.

We need a different path out of Iraq.

Thousands of people like Tom Fox risk their lives everyday around the world to oppose dictators through nonviolent actions, to document human rights violations, and to build relationships across the lines of conflict.

There are many people willing to give their lives for war. There need to be more people who give their lives for peace.
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Lisa Schirch is an associate professor at the Center for Justice and Peacebuilding at Eastern Mennonite University. Tom Fox took a graduate-level course with Lisa in the spring of 2004 in preparation for his work in Iraq and kept in regular contact with her about his work.

-- article by: Lisa Schirch, posted March 15, 2006


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